人気の高い「ヒマラヤ水晶」の特徴|産地ごとの違いはどのような点?

水晶は、たくさんあるパワーストーンの中でも人気の高い天然石です。その中でも長年多くの方に愛されてきているのが、「ヒマラヤ水晶」です。水晶は世界中で発掘されていますが、その中でもヒマラヤ水晶は圧倒的に希少価値が高いため、コレクターの中でも大切に扱われているようです。ただ、ヒマラヤ水晶といっても採掘される場所はたくさんあり、場所によって採れる水晶には異なる魅力があります。そこで今回は、人気の高いヒマラヤ水晶の特徴について詳しく見ていきましょう。

ヒマラヤ水晶とは?

ヒマラヤ水晶とは、ヒマラヤ山脈から採ることができる水晶のことを指します。ヒマラヤ山脈は、インド・ネパールなど複数の国と接しており、さまざまな場所に採掘場があります。水晶はケイ素と酸素がマグマで熱されてその後冷やされることによって作られる天然石と言われているようです。そのため、その場所によって形状やその品質も大きく異なるようです。さらに、ヒマラヤ山脈は神聖な山となっており、採掘場までの道のりはかなり険しいので、限られた人のみで登って手作業で採掘されています。そのため、希少性が高い上に、神聖でパワーのある水晶というイメージを持っている方も多いようです。

産地ごとのヒマラヤ水晶の特徴

同じヒマラヤ水晶でも、産地によって特徴が異なります。そのため、自分が好きな形状や透明感のあるものを探すと楽しいでしょう。そこでここからは、産地ごとのヒマラヤ水晶の特徴について見ていきましょう。

ガネーシュヒマール

ガネーシュヒマール・ラパとは、ネパールの首都であるカトマンズから北方にいった方のことです。ネパールとチベットの国境に位置するところです。ここでとれる水晶は、ガネーシュヒマール水晶と呼ばれています。ガネーシュヒマールは7つのピークを有する山群となっているので、さまざまな特徴の水晶がとれることで知られています。また、人間が数日かけて険しい道のりを登り、手作業で丁寧に採掘されるので、かなり希少価値が高くて魅力的なものだと言えるでしょう。

ではここからは、ガネーシュヒマールのさまざまな水晶の特徴について見ていきます。

ラパ産

ガネーシュヒマール水晶として販売されているものの多くが、ラパ産となっています。ラパ産の特徴は、形状や色合いが被るものがないほど、個性的なものが採掘されるという点です。インクルージョンが入ったものや曲がり水晶、ツインクォーツなどの珍しいものが多く見られるようです。そんなラパ産の中でも特に希少価値が高いと言われているのが、「トライゴーニック」です。トライゴーニックとは、凹状の逆三角形の模様が刻まれた水晶のことを指します。他のものに比べてあまり採掘されないので、見つけることも難しいですが、それだけ価値がある代物だと言えるでしょう。また、ラパ産の水晶は密度が高いので、圧倒的な透明度が魅力的だという愛好家もいるようです。個性的なものを探したいと考えている方は、ラパ産のものを見てみることをおすすめします。

ティップリン産

ガネーシュヒマールのティップリン産の水晶は、半透明な部分が全くない100%透明な水晶がとれることで有名です。水晶は何百年という長い期間をかけて結晶化するため、他のものが混じらずに結晶化することは難しいようです。そのため、より透明性が高いものを探している方は、ティップリン産をチェックするといいでしょう。また、ティップリン産の水晶の中には、結晶の表面が鉄分に反応して金色や虹色になるゴールデンヒーラーも多く見られます。このような水晶は珍しいので、価値を感じる方も多いようです。

リー産

ガネーシュヒマールのリー産は、ガネーシュヒマール産の中でも圧倒的に流通量が少ないことで知られています。リーは人口が少ない小さな町なので、なかなか採掘するのが難しい状況だと言えるでしょう。リー産の水晶は半透明なものが多く、白いしぶきがついているようにも見えます。多少は透明度が高いものもありますが、希少価値が高いので価格が上がることもあるようです。エッジのきいた美しいシャープな結晶がたくさんあるので、個性的な形のものを探している方におすすめの産地でしょう。

ゴルカ

ゴルカとは、ネパールの中心部であるカトマンズから5時間ほどの場所にある地域です。標高は1700mほどの高い場所となっているようです。ゴルカは元々18世紀から続くシャハ王朝発祥の地と言われているため、神聖な場所だと考える方も多くいるようです。ゴルカにあるマナスルヒマール山に近いところに、有名な水晶の採掘場があります。ゴルカ産の水晶の特徴は、三角柱のような美しい形状です。高さはあまりないので、安定感があってインテリアとして使えるものが多くあるようです。水晶はもちろんですが、スモーキークォーツが多く採掘されることでも知られているようです。

エベレスト

エベレストは、ネパールにある世界で最も高い山のことです。エベレストでとれる水晶はアルペン水晶と呼ばれており、だいたい4000~5000m付近で採取されるようです。この地域は基本的に採掘許可がほとんどおりることがないので、数が少なく流通量がほとんどないことで知られているようです。アルペン水晶の特徴は、細長くて透明度が高い点です。他のクラスターと違い、小さなクラスターに2~3本の結晶がついているというものが多く見られているようです。また、全体的にスモーキーっぽいものもあるので、個性的な水晶を探すことができるでしょう。

インド

インド北部は、ヒマラヤ山脈に接するところがあるようです。山脈に接するパールバティー渓谷の奥地にあるマニカラン地区でとれる水晶のことをマニカラン水晶と呼びます。マニカラン地区はヒンズー教の聖地としても崇められている場所で、昔は氷河に覆われていたと考えられています。近年、氷河が徐々にとけてきたことにより、水晶が地表に現れるようになって採掘ができるようになったようです。このように氷河によってゆっくりと長い時間をかけて冷やされて結晶化したマニカラン水晶は、美しい透明度が人気となっているようです。まだ採掘されるようになってから間もないのでまだまだ分からないことも多くありますが、面白い水晶も多数発掘されているので、ぜひチェックしておいた方がよいでしょう。

パキスタン

パキスタンも、ヒマラヤ山脈に接するところがあります。そのため、パキスタンで産出させる水晶も、ヒマラヤ水晶に含まれるようです。まだ多く流通しているわけではないので、分かっていないことも多く、内包物や形が個性的なものが多数あると言われているようです。比較的価格が安く、良質なものを手に入れることができる点が魅力でしょう。掘り出し物を探したい方は、ぜひ確認しておくことをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?ヒマラヤ水晶は、多くの愛好家に人気の高い水晶です。1つ1つ人の手作業で採掘されていますし、高い土地でゆっくりと冷やされたものが多いので、品質が高いものを多く発掘することができるでしょう。その上、ヒマラヤ山脈は多くの地域に接しているため、その土地によって異なる水晶を発見することができるようです。特徴的な水晶を探している方は、ぜひヒマラヤ水晶をチェックしてみることをおすすめします。